scan-25 セントラルパークで馬車 *ストロベリー・フィールズ

# /KATO
★内容
 6月8日、N.Y.での三日目です。
 夜のバードランドまで、 何をするか。 午後にはビレッジの方に行くとして、セントラルパークに行くことにしました。

 マンハッタンには一戸建てがないって知ってましたか。大小様々なビルだけで、大邸宅といってもビルのワンフロアを持っているというようなことのようです。高級なアパートはセントラルパークに近く、それも公園に面している部屋が一番良いそうです。ビルと車と人の雑踏がニューヨークの実体ではあるけれど、このセントラルパークという広大な公園が唯一のやすらぎの場という感じです。

 私たちはセントラルパークの入り口付近で、馬車に乗るかどうかで大分なやみました。相棒が馬車の客をひいている男に話かけました。「25分、まわって36ドルだって。」相棒得意のねぎりの交渉になりましたが、敵もさるもの、びた一文まけません。それが高いのか安いのかよく判らなかったけれど乗る事になりました。客引きの男は、交渉が成立すると愛想のいい調子で馬車に乗せてくれました。何かラテン系の感じです。「きっと、こういうのどっかのファミリーがしきったりしているんだろうなあ。」「ボスにとられる分があるからって、まけられないみたいだったぜ。」
 「むこうに見えるのがなんたら、こっちに見えるのがかんたら・・・。」御者の男は、定番の観光案内よろしく説明をしてくれます。「ダコタハウスはどっちだ。」「むこうの星条旗の上がっているビルだ。」「あそこえ、行ってくれるか。」「この馬車のコースじゃない。」ああでもない、こうでもないといっている内にセントラルパークの何割かをめぐって通りへ出て、はい、おしまい。「何か、ばかばかしかったなあ。」「ニューヨークで馬車ってのもおつだったじゃないか。」

 結局私たちは、セントラルパークを歩きながらダコタハウスの方まで行くことにしました。日曜のセントラルパークは、ジョギングをする人、ローラースケートをする人がずいぶんいます。そこにトランペットを持ったおじさん登場。「ここで、練習するのかなあ。」少しパラパラ吹いてみたと思ったらやめてしまいました。 「なあんだ、 おまえのラッパといい勝負じゃないか。」 「ニューヨークだからってみんなプロみたいにうまいとは限らない差。」

 うろうろ歩き回ってやっと72ndストリートまで出て来ました。 ここが、ジョン・レノンの住んでいたダコタハウスだ。私たちは石段を上がって写真を撮ろうとしたら、ガードマンに下りるように言われてしまいました。近くに「ストロベリーフィールズ」というジョン・レノンを記念した一角があり、観光客らしき人が写真を撮っています。「さすが世界のジョン・レノンだ。」とまたまた日本からのお上りさんは感心してしまうのでした。

 この日は、プエルトリコのお祭りの日でした。派手な衣装で奇声をあげながらパレードに参加しようとプエルトリコ系の人が出てきはじめました。後で、パレードを見物した人から「サルサのオンパレードだった。」と聴かされ、ちょっと残念でした。

 私たちは、 午後をビレッジですごそうということになっていたので、72ndストリートから地下鉄に乗りました。N.Y.の地下鉄は、1とか2のような数字の着いた路線とアルファベットの路線があるようです。ビレッジに行こうとのったのは、「A」となっていました。「するとこれは、”A”とレーンか。」私たちと反対に行くとハーレムに行くのかなあ。電車に乗っても「こりゃあ、ありがてえ。」と思うんだから、おめでたい奴なんです。