scan-24 エンパイヤの展望台 scan-26 ブルーノートの前

#N.Y.ジャズ三昧No.2 /KATO
★内容
 6月7日、N.Y.での二日目です。
 ホテルでの朝食をすませ、 貸し切りバスで市内観光に出ました。 ガイドは、現地の観光会社の日本人女性です。セントラルパークにむかってバスは進みます。土曜日の朝、街に出ているのは、観光客とヘルシー嗜好のスポーツマンばかりです。9時半の開場を待ってエンパイア・ステート・ビルに行きました。展望台は90階ぐらいだったかな。何しろエレベーターが10階刻みの表示になっていました。風が強くて寒いのなんのって。これ以上の展望を楽しむなら、ヘリコプターでの観光だそうです。

それから、グリニッジビレッジやチャイナタウン、そして、ソーホーと車窓から様子をうかがいました。ここが、自由の女神に一番近いという所で、バスから下りました。リバティーアイランドにフェリーで渡るには時間がありません。いわゆる観光名所としてみやげ物を売ったりしていますが、それよりもあちこちで様々なパフォーマンスがおこなわれているのが目立ちます。体をくねくねして猿のようなアクションを見せる人。ミニキーボードを片手で弾きながらマリアッチを吹くトランペッター。体操競技のような演技を見せて喝采を受けている人。アコーディオンとギターでイタリア民謡風の演奏をする人たち。ボンゴを叩きながら口笛でカリプソを吹く人・・・。人種の坩堝とは言いますが、世界中から大道芸をしに来ているのかと思いました。

 その後、マンハッタンとブルックリンの間にかかるブルックリン橋に行きました。潮の臭いというのか魚の生臭い臭いがします。近くに魚市場があるそうです。「そうか、アメリカにも魚河岸ってのがあるんだ。」なんて感心したりして。そういえば、ソニー・ロリンズが隠遁時代に練習していたというのは、どこの橋だったかなんてことも考えたりしました。

「スイートベージル」
 半日の観光をおえて、私と相棒は、とにかく昼にやっているライブに行こうという事になりました。ホテルからタクシーでグリニッジビレッジへ。ライブのスケジュールを知るには「ビレッジボイス」という新聞があるらしいのですが、毎週火曜日頃出るらしく、手に入れることができません。さすがにグリニッジビレッジはジャズの街らしく、レコードだけでなくジャズ関連の物をあつかう店がありました。そこの壁にスケジュールが出ていました。「山下洋輔っ数日前にやっていたんだ。」 なんて、 またまた感心したりして。ともかくブルーノートに行って見ることにしました。

 「ああ、ここが本物のブルーノートだぜ。」なんて言いながら入り口を入って行くと、チャック・マンジョーネのグループが演奏しています。このセットは、「チャック・ウイズ・キッズ」とかで、子供がいっぱい入っていました。満員で入れないとのことで、退散することになりました。しかたがないので、 ブルーノートに来たという証拠に店の前で写真を撮りました。 笑い!

 それじゃ、スイートベージルに行って見るかと言うことで、スイートベージルはガラス張りのレストランというような佇まいでありました。もう、私の頭の中では、「ギル・エバンス”マンデーナイト・セッション”だ!」というのがグルグルまわっています。店の前に立つともう音がしてきます。とにかく店に入りました。明るい感じの店内は、入って右手にカウンター。そこに私たちはこしをおろしました。演奏は、店の奥の方で、ギタートリオがやってました。白人のギター、日本人のベース、黒人のドラムという編成です。相棒に言わせるとリー・リトナーみたいなあんちゃん、この人が、なんたらかんたらヨハンセンとかいうギタリストです。最初のセットの曲目は判りませんでした。後のセットでは、「アフタヌーン・イン・パリ」、「ビューティフル・ラブ」等、オーソドックスなスタイルのプレーでした。ベースもドラムも繊細な感じがしました。 帰りがけにベーシストと話したのですが、彼は神戸出身でこちらには8年ぐらいいるそうです。大阪方面から直接N.Y.に来たので、私など知る由もありません。

 入り口付近にはランチを食べる人、おしゃべりに来たおばさんといった感じの人がいます。中程にはゲイのカップルらしき方々もいます。ステージに近い所には熱心な聞き手がいます。カウンターの中のマスターは静かな物腰の人の良さそうな人です。何だか、相棒も私もこの店が気に入りました。おしつけがましくなくてだれでも気楽に入れそうな感じです。でも、夜はどうなんでしょう。夜にポール・モチアンのグループがあるようでしたが、残念ながらすでに私たちのスケジュールはつまっていました。

つづく