scan-21 ビレッジ・バンガードの前 scan-22 ビレッジ・バンガードの前(全員)

#N.Y.ジャズ三昧No.1 /KATO
★内容
 こんにちは、KATOです。ニューヨークでの珍道中を少し書かせていただきます。

 今回の、N.Y.ツアーは、ドラマーの小林陽一&グッドフェローズのライブのとりまきとして参加しました。主に小林氏のファンらしき、若い男女や中年夫婦、初老のジャズふぁんなど、様々十数名の一行です。
 私の相棒は、 一緒にアマチュアバンドをやっているラッパ吹きです。 彼は、若い頃、L.Aでヒッピーまがいのことをしていたので、大ブロークンですが、最低限の英会話にはこまりません。私たち「弥次喜多」の目的は、ジャズを聴き、マンハッタンを徘徊することだけです。

 6月6日の午後3時過ぎに成田を発ち、13時間、N.Y.のケネディ空港に着きました。機内で仮眠をとりましたが、朝かと思ったらまだ6日の夕方です。
 ホテルに荷物をおいて、周囲を探索に歩き回りました。私たちの泊まったホテルは、7thアベニューの56thと55thストリートの間にあります。ホテルを出て、 歩いて行くと、 いきなりロックビートを叩くドラムの音。「わっ、ニューヨーク!」そこには、家財道具のような鉄板や樽を並べたドラムを叩く人がいました。婦人警官が歩道から出そうになる見物人を注意していましたが、ミュージシャンをやめさせようとは、しませんでした。「うーん、さすがニューヨークだ。」と感心していると、別な警官が来て、彼はやめさせられてしまいました。見物人の私たちは、彼のプレーに拍手をおくりました。
 そして、ブロードウェーの方へ行って見ました。大小さまざまなシアターが並んでいて、いろいろなミュージカルがかかっています。私は、完全なお上りさん状態です。セントラルパークに向かって上がって行くと私たちの泊まっているホテルより上等なホテルが並んでいます。そして、都会には似つかわしくない臭い。観光用の馬車の馬の落とし物。通りが碁盤の目のようになっているのは、位置関係を把握しやすく、到着早々緊張感はあるものの、何だか街に親しみを感じます。 52ndストリートまで下がってくると、「52丁目のテーマ」だなんて、思って良い気分になってしまいます。そして、48thストリートには、楽器屋が何軒かある事を確認。これが、その後、ちょっとおもしろいことになるのですが・・・。
 8時近くになっても日が沈みきってはいないで、明るかったようですが、暗くなるとこわいので、ホテルの近くに戻ってきました。そして、アメリカでの初めての飯を食べようと言うことで、食堂に入りました。そこは、レストランというより、街の大衆食堂というような所です。私はターキーのはさまったサンドイッチを食べました。ビールの値段がばかに高いようです。

「ビレッジ・バンガード」
 到着早々の晩とはいえ、 小林氏がビレッジ・バンガードへ行くと言うので、私たちもホテルの前からイエローキャブに乗り、グリニッジビレッジへ向かいました。ニューヨークは、ネオンサインなどが制限されているそうですが、タイムズスクエアだけが例外で、華やかなイルミネーションがつづいています。
 ビレッジ・バンガードの前に立ち、これがかの有名なライブハウスかと思うと、またまた舞い上がってしまう私でした。階段を下りていくと、熱気と重たい空気を感じます。ここは、昔ながらの雰囲気を残しており、これぞ、ライブハウスの権化といった印象です。
 この日の出演は、ベースのレイ・ドラモンドのカルテットです。曲目は、「ネフェルティティ」、 「さくら・さくら」、 「ラウンド・ミッドナイト」、「ブルーンブギ」。私たち以外にも日本人客がきているのを見て、レイ・ドラモンドが、ベースソロから、「さくら・さくら」を始めてしまいました。全体的にモーダルなアプローチがちゅうしんでしたから、 ニューヨークで聴く 「さくら・さくら」は、ウエットになりません。ここで、ロリンズやコルトレーン、ビル・エバンスなんかもやってたんだと思うとまたまたうるうるしてしまいました。笑い!

 ニューヨーク初日は、何と長い一日だったでしょう。成田を発ったその晩にビレッジ・バンガードにいたんですから。