実習用資料1

 現在では視覚障害者も画面情報を音声化することで想像以上にパソコンを使っています。
 今まで視覚障害者は、点字か録音テープで文字情報を得手いました。また、書くことは誰かに代筆してもらうしかありませんでした。そのどれもが健常者の手を借りなければできないことでした。
 この便利なパソコンの操作を身につけることは健常者でも容易なことではありません。まして視覚障害者は、操作の特殊性もあり、これがまた障害になっています。
 この講座を通して視覚障害者のパソコン操作の概要を知り、サポート・ボランティアが育ち、一人でも多くの視覚障害者がパソコンの恩恵に浴することができるようになることを希望します。

    「WINDOWSの特徴」
 WINDOWSの特徴としては、gUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェイス)とマルチタスクなどがあげられます。操作を絵文字(アイコン)にして、マウスでそこをクリックする操作がGUIです。目の見える人にとっては、画面を見ただけで直感的な操作ができます。これが視傷者にとってはネックになります。しかし、基本的な操作は、カーソルキーやタブキー、あるいはショートカットキー(いくつかのキーを同時に押す)などで代行できます。しかし、ソフトによっては、どうしてもマウスでないと操作できないことも多々あります。この点がどこまで私たちに使えるようになるかは今後の課題でしょう。
 ワープロをしながら表計算ソフトで集計をし、表をワープロ文書に貼り付ける。このように同時に複数のソフトを使うことをマルチタスクといいます。MS−DOSのエディタでもいくつかのファイルを同時に開けますが、異なるソフトを同時進行させることはできません。WINDOWSの音声化でウインドウを切り替える操作と・アクティブ・ウインドウの確認は、全盲でも可能です。
 WINDOWSの画面は弱視にとって、表示される情報が多すぎて見にくい場合もありますが、画面の背景色や文字色などユーザに会わせた設定ができます。また、印刷する文字の大きさや書体の自由度があるのも魅力です。

    「音声化ソフト」
 WINDOWSの音声化ソフトには、現在95READERとPCTALKER/VDM100Wの2種があります。95READERは、障害者雇用促進協会が開発し [SSCT] から発売されています。
PCTALKER/VDM100Wは、 [高知システム開発] [アクセステクノロジー] の共同開発で、AOKライクな方がPCTALKER、VDMライクな方がVDM100Wとして発売されているようです。いずれも特別な音声装置を買う必要はなく、WINDOWSパソコンに内蔵されている音源(サウンド・ブラスタ)があれば利用できます。
 両者とも一長一短があるようで、現在どちらに軍配が上がるとはいえません。95READERは、一般ソフトに多く対応し、WINDOWSの基本操作や設定を音声化することに力を入れています。一方PCTALKER/VDM100Wは、従来からの視傷者ソフトの操作性を受け継ぎ視傷者用にアプリケーションの開発もされつつあります。

    「6点入力」
 6点式の入力はどちらとも可能ですが、長谷川式六点漢字を直接扱えるのは、PCTALKERです。但し、パソコンのメーカーや機種によりキーボードが6点入力を受け付けない者があります。概ねNECとアイ・ビー・エムの物は6点入力が可能なようですが、購入時に確認する必要があります。

    「セットアップ」
 音声化ソフトのインストールは、CD−ROMをセットするだけで音声に従い数回リターンキーを押せばできてしまいます。しかし、その前のパソコン自体のセットアップは視傷者独力では不可能です。晴眼者であってもパソコン初心者では無理です。パソコンの初期設定は絶対に販売店かパソコンに熟知した人にしてもらいましょう。


スクリーン・リーダ
 視覚障害者がパソコンを使うためには、画面の文字情報を音声で確認して、マウスは使わずキーボードのみで操作します。スクリーンリーダーというソフトは数種出ていますが
、以前のOS→MS-DOSやAOKワープロの使い勝手を継承したのがこの [VDM100W/PC-TALKER] です。

 以下に音声で利用可能なソフトを紹介します。
文書作成
 WINDOWS付属のワードパッドやメモ帳が使用できます。
 MS-WORDはVDM100W/PC-TALKERのワード読み上げ機能が利用できます。
 マイエディットIIは六点入力や六点漢字にも対応し点字ファイルやhtmlなどの編集も可能です。

表計算
 EXCELでは、上下左右のカーソルキーを移動する毎に該当するセルを読み上げます。

INTERNETを利用する
 Emailは、 [MMMAIL]
 ホームページは、INTERNET EXPLORaをそのまま音声貸して利用可能です。
また、リハ協のWINALを使えばエディタ感覚の操作でネットサーフィンできます。
 HTMLの作成はマイエディットIIのタグ入力機能でok
 FTPは、 [NEXT FTP]